本日、京都にて共同親権研究会「大鹿民法草案を読む」を開催しました。
参加者は合計3名。
連れ去りの被害者が参加したので、緊張感のある会になりました。
法制審議会(実体は、法務省)が出している「中間試案たたき台」。
北村豊男弁護士を中心とした弁護士グループが出した「民間法制審中間試案」。
マスメディアは、この二つの試案について報道をしていますが、
共同親権研究会は、あえて「大鹿民法草案」(正式名称: 改正手づくり家族法草案)を取り上げました。
第三の案です。
「大鹿民法草案」には2つの特徴があります。
1 実子誘拐(拉致)の被害者・当事者の視点が盛り込まれていること。
2 法律の専門家ではない普通の人の目線で文章が書かれているので、読みやすい、理解しやすい。
共同親権研究会としては、マスメディアが注目していない重要文書なので、こういう文書を取り上げることに大きな意味がある。
そう考えて「大鹿民法草案」を読みました。
大鹿民法草案の5つのポイント
①親子の自然的関係を明記し国家との関係を規定
②一般人に分かりやすいシンプルな親権制度 (単独親権制度の廃止=原則共同親権)
親権は基本的に実父母が有する。離婚により失われない。
監護者の指定を廃止
未成年普通養子縁組の廃止
細やかな親権制限を実現
③子育てを父母が平等に分配するルール基盤 (養育分担時間・面会交流、養育費)
④争いを誘発させず対話・合意を促す別居・離婚制度
⑤裁判所を父母の意見調整支援機関の位置づけに
家庭の自立を維持するため裁判所判断を規制
40ページの「大鹿民法草案」冊子のすべてをここでは解説できませんが、
実子誘拐(拉致)の被害者の経験を聞きながら「草案」を読み、議論する経験は刺激的でした。
文書の背景にある政治状況をより深く理解できた、と思います。
参加者のプライバシーがあるので、詳細は書きませんが、日本の司法制度のなかで犠牲になるのは子どもである、ということは再確認できた、と思います。
一刻も早い共同親権の制度化が求められていますが、その一方で、共同親権にともなって、それに付随する課題も解決をしなければならない。とりわけ「実子誘拐への対処」は急がなければならないでしょう。
以上
共同親権研究会関西 共同代表 石井政之